5月11日の夜、全国の広い範囲で、夜空が赤く染まる「低緯度オーロラ」が観測された。オーロラは通常、緯度の高い地域でしか見られない現象だが、今回は北海道だけでなく、東北や北陸地方などでも出現。歴史的にも稀な一夜となった。
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オーロラは、太陽の表面で起きた爆発現象(フレア)などによって放出されたプラズマ粒子の「太陽風」が地球に到達し、地上からの高度約90~600キロで大気とぶつかって発光する現象だ。
通常のオーロラは北極圏など緯度が高い地域で、カーテンがひらめくような姿で見える。しかし、大規模なフレアが起きたときは、緯度が低い場所でも、夜空が赤くなる「低緯度オーロラ」として、まれに出現する。
低緯度オーロラの存在は古くから知られており、日本書紀には「赤気」という名で記されている。620年の記録で、日本最古の天文記録とされている。
オーロラの出現につながる太陽の活動が活発な時期は、まだしばらくは続くと見られており、昨年末にも北海道などで低緯度オーロラは観測されている。
極めて珍しい夜の訪れに、期待したい。
(AERA dot.編集部)