「試合前練習のかなり前からクラブハウスの床でストレッチをしていた。狭いスペースしかない球場でも淡々と取り組んでおり、他選手がイチローを避けて歩いていたのが印象的だった」(元スポーツ新聞MLB担当)
大谷やダルビッシュ有(パドレス)は体格的に恵まれトレーニングに対する意識は高いが、生まれ持ったフィジカルでは不利な部分もあったイチローは彼らよりも苦労はあったはずだ。2人も日本ハム時代からイチローの野球への取り組み方を尊敬していたとも言われる。
「監督として2人と接した栗山英樹氏(現日本ハムCBO)はジャーナリスト時代にイチローを頻繁に取材した。妥協なき姿勢が結果に繋がっていることを何度も話して聞かせたらしい」(元日本ハム担当記者)
野茂英雄(ドジャースほか)が実質的なメジャーへの道を切り開き、それに続く形で数多くの選手が海を渡った。その中で最も日本人的な体型だったのがイチローだっただろう。
「メジャー19年間で3089安打は北米スポーツ史上に残るレジェンド。同じ時代に生きられたことが嬉しい」(在米スポーツライター)
まだ少し気が早いがすでに米国では来年の殿堂入り選手についての議論が始まっている。イチローは資格取得1年目での殿堂入りは間違いないと言われているが、体格的なハンデを物ともせずにメジャーリーグで活躍したことが再び評価されることになるだろう。