フォークと伝統音楽の融合で注目、『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』出演シンガーの歌声響く本編映像解禁
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 世界36か国で刊行される小説『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』(亀井よし子 訳/講談社文庫)を、ジム・ブロードベントの主演で映画化した『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』が、6月7日より全国公開される。

 定年退職し、妻のモーリーンと平凡な生活を送るハロルド・フライ(ジム・ブロードベント)のもとに、ある日、北の果てから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。ハロルドは返事を出そうと家を出るが、途中で心を変える。彼にはクイーニーにどうしても会って伝えたい“ある思い”があった。ホスピスに電話をかけたハロルドは「私が歩く限りは、生き続けてくれ」と伝言し、手ぶらのまま歩き始める。目的地までは800キロ。彼の無謀な試みはやがて大きな話題となり、イギリス中に応援される縦断の旅になるが……

 どんな過酷な状況に置かれても決して諦めないハロルドの姿を通して、誰かのために一歩を踏み出すことで、人生がもたらす哀しみや驚き、喜び、愛を再発見できる感動作は、本国イギリスで初登場新作No.1を記録。随所にハロルドの旅を彩るのが美しい音楽で、ハロルドの心情を表すかのように歌い上げられる劇中歌には、イギリス生まれのシンガー、サム・リーが起用されている。

 サムは、喜劇役者やダンサー、音楽プロモーターなどの活動をした後、25歳の時に伝統音楽の録音を聴いてのめり込み、ドラヴェラーズ(漂泊民)のコミュニティに入って伝承歌を学んだ。2012年に『グラウンド・オブ・イッツ・オウン』でデビュー、テレグラフ紙やザ・ガーディアン紙などで称賛され、フォークと伝統音楽の融合で注目を集めるシンガーとして名を馳せた。2013年と2014年には来日公演も行っている。

 原作者で、本作の脚本を担当したレイチェル・ジョイスは、「彼の歌う曲はこの作品にぴったりだと思っていました。それは他の皆もそう感じていて、かなり初期の段階から作品に関わってもらっていたんです。素晴らしい曲をたくさん劇中で使用できました」とサム・リーの起用を明かす。

 サムはハロルドの思いとその行動に心を動かされて集まった旅のメンバーの一人として本編にも出演。夜間、燃える焚き火の前で美しい歌声をアカペラで披露している。夜空に響くサムの歌声に導かれるかのように、ハロルドはずっと抱え込んでいた息子への思いを少しずつ口にしていく。そこには、クイーニーのもとへと歩みを進める理由も隠されていた。

 サム・リーによる劇中歌のほか、『47RONIN』『アリスのままで』『映画ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』をはじめ、全世界で大ヒットとなった『Ghost of Tsushima』のゲーム音楽など、幅広い分野で活躍するイラン・エシュケリが担当した音楽が全編を通してハロルドの旅を彩る。計11曲が収録されたサウンドトラックCDは6月5日に発売。


◎公開情報
『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』
2024年6月7日(金)より、全国公開
監督 へティ・マクドナルド
出演 ジム・ブロードベント、ペネロープ・ウィルトンほか
配給:松竹
(C) Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022

◎リリース情報
『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』
2024/6/5 RELEASE
RBCP-3537 2,970円(tax in.)