
わたしは、「リーダーズカレッジ」という1年間の研修を主宰している。
毎年4月から翌年3月までのカリキュラムで、前半はみんなで新喜劇を作って発表会をし、後半は、自分たちでいろんな企画を考える。
参加者は、経営者もいれば新入社員もいる。OLもいれば士業もいる。
そしてカリキュラム前半では、目標はあるけれど、人間関係ができていない。
だから人間関係から作っていかなければならない。
後半は、人間関係はできているけれど、目標がなく、自分たちで目標を作って、そこに向かって行かなければならないという内容。
これを18年間続けてきた。
1年間という期間があるからいいのか、ほとんど利害関係もないことがいいのか、年齢や職業を超えて、けっこうみんな仲良くなる。
わたしがこれを始めたのは、30代の半ば。30代を中心に次世代のリーダーを作りたかった。
ところが、何年かやってきた時に、わたしよりはるかに年上の60代、70代の経営者が参加されるようになった。
ある時、そんな人たちに、尋ねた。
「ここで何を求めているのですか?」
返ってきた答えの本音は、最終的には、「年下の仲間が欲しくて……」だった。
「同年代や年上と付き合っていると、病気の話題が増え、葬式に行くことが増える。かといって、部下や取引先の若い人と遊ぶわけにもいかない。大谷さんは、まだ分からないかもしれないけれど、若い友達ができるって本当に財産だよ」
と、言われた。
そして、50歳過ぎて、その気持ちがかなり分かるようになった。