今シーズンの復活を期す中日・大野雄大

 セ・リーグは上位から下位まで混戦、パ・リーグはソフトバンクが一歩リードしている感を受ける今年のペナントレース。ルーキーや若手の台頭もあり、昨年までとはメンバーが大きく入れ替わっている球団も存在している。しかしその一方で本来であれば主力として期待されながら、ここまで調子が上がらず誤算となっている選手がいることも確かだ(成績は5月14日終了時点)。

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 セ・リーグで首位争いを演じている巨人でまず名前が挙がるのが大城卓三だ。昨年は控えながらワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場。レギュラーシーズンでも初めて規定打席に到達すると、キャリアハイとなる打率.281、16本塁打、55打点を記録して自身2度目となるベストナインにも選ばれている。しかし今シーズンは4月中旬から調子を落とし、打率は1割台に低迷。徐々にスタメンの機会も減り、5月8日には約2年ぶりとなる登録抹消となっているのだ。

 阿部慎之助監督は気分転換のリフレッシュのためとコメントしており、早いタイミングで一軍復帰する可能性は高いと思われるが、これまでの起用法を見ても首脳陣の信頼を得ることができていないという印象は否めない。ただ、現在の“投高打低”のプロ野球界において、打てる捕手というのは極めて貴重な存在である。大城が復調できるかによって、チームの成績も大きく変わってくることになりそうだ。

 大城と同じセ・リーグの捕手で低迷が目立つのが坂倉将吾(広島)だ。2021年にはセ・リーグ2位となる打率.315をマーク。翌2022年には主にサードとして全143試合出場を果たし、打率は少し下げたものの、155安打、16本塁打を記録している。昨年からは捕手に復帰。守備面で苦しみながらも3年連続となる二桁ホームランを放つなど、チームの2位躍進に大きく貢献した。

 しかし今年は開幕からなかなか調子が上がらず、ここまで打率1割台に低迷。ファーストでも先発出場しているが、今のところ浮上の兆しが見えない状態が続いている。広島は既に7度の完封負けを喫するなど、得点力不足に悩まされているが、その要因の一つが坂倉の不振と言える。大城と同様にチームの命運を握る存在なだけに、早期の復調が待たれるところだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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