ただし、「投資信託がダメな金融商品と主張する気は全くない」と桶井さんは指摘する。

「資産形成期には、効率よくお金を増やすことができる、優良な手段だと思っています。そこはミスリードにならないよう強調しておきます。あくまで私がここで主張するのは『出口戦略』には向かないということです」

2つの枠で毎年計360万円投資

 では、これらの戦略を実現するには、どのような銘柄を選ぶべきだろうか。

「まず、つみたて投資枠は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)/三菱UFJアセットマネジメント』を毎月10万円で5年間購入しようと思っています。一方で、成長投資枠は住友林業(1911)、日産化学(4021)、信越化学工業(4063)、荏原製作所(6361)、栗田工業(6370)、三菱HCキャピタル(8593)、KDDI(9433)、小松製作所(6301)、ブリヂストン(5108)、ヤマハ発動機(7272)などに投資しようと思っています。すでに買い付け済みの銘柄もあります。2つの枠で毎年計360万円投資して最速の5年で上限枠1800万円を使い切る予定です」

 個別株については、成長投資枠だけで見ずに特定口座も含めて、各銘柄をできるだけ均等額で買い付けることを目指すという。

「タイミングは計らずに買い付けていく予定です。長期投資ゆえ、目先の経済指標や四半期決算などを追うことはしません。結果的に、それらが理由で株価が落ちるようなことがあれば、買い付けを前倒しすることもありえます。ちなみに、経済指標の分析・確認、経済指標に伴う株価の反応を予想することにリソースを使って短期売買しても、百戦錬磨のプロには勝てないと思います。優良銘柄を探すことにリソースを使ったほうが有意義でしょう」

 じぶん年金をつくるという観点で、成長投資枠を大型株に向ける戦略は手堅そうだ。

(上野智)

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