ところが業者は男性の車を修理工場にレッカー移動し、13万円の支払いを要求。その際、契約書や請求書は渡されなかった。
男性が「手持ちは4万円しかない」と伝えると、「残りの9万円は後で振り込むよう」指示され、個人名義の銀行口座を教えられた。さらに、勤め先や親の連絡先を教えるよう強要された。
その後、業者からSNSで、「残金を支払わなければ、勤め先や親に言うぞ」というメッセージが送られてきた。怖くなった男性は地元の消費生活センターに相談した。
また、レッカー移動の距離が数キロにもかかわらず、15万円の費用を請求されたケースもある。業者からは「加入している自動車保険会社に請求すれば、全額支払われる」と説明をされたが、実際に保険会社から支払われたのは3万円ほど。説明は虚偽だったのだ。
日本損害保険協会は、ロードサービス業者との料金トラブルが多発しているとして、会員会社のロードサービス窓口一覧をホームページに掲載している。
パニック心理を巧みに利用
国民生活センターによると、「インターネットで依頼したロードサービス」に関する全国の相談件数は20年度までは年間100件以下だった。ところが、21年度は231件、22年度は773件、23年度は860件と、ここ数年で被害は急増している。