家庭のコミットも影響

 一方で、幼少期からの習い事ランキングを見ると、英語や英会話は毎年上位に入ります。自身も東京育ちだという30代の2歳児の保護者は「自分が小学生の頃、教室で先生が英語を習っている人と聞いた時に、手を挙げていないのは私を含めて数人しかいませんでした。自分はすでに遅れているような気になってしまったので、我が子には必ず英語だけは習わせたいと思った」と話します。

 公立小に導入されたとはいえ、英語力の強化は家庭のコミット具合によるところが大きいのが現状です。一度嫌いになった学びを好きにするのは容易なことではありません。公教育として導入したのですから、できれば、家庭の経済力による格差はなるべく減らしたいところ。英語を使う機会の少ない日本において、いかに英語嫌いを作らずに中学への学びにつなげていけるか、ここが問われるようになっています。

 しかし、中学の学びの先取りのような形で行われる高学年の英語の学びは、良いことばかりではありません。小学校の段階で英語がすでに「嫌い」となってしまう子もいるからです。英語を学ぶ意欲を引き出し、学力をどう結びつけていくかが今後の小学校における英語教育の課題と言えます。

(ジャーナリスト・宮本さおり)

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