YouTuberが新しい時代を作る存在としてもてはやされるようなムードはなくなっている。芸能人の参入も増えてきて、YouTubeの世界も芸能界並みの激しい生存競争が繰り広げられる場になった。
一方で、YouTuberと呼ばれる人はそれぞれのペースで活動を続けていて、一定のファンを獲得している。YouTuberは滅びたわけではなく、一つの文化として定着したことで、そこに関心のない人にとっては目立たない存在になった。
先輩・千鳥の意見を引き出したかった?
そんな状況下で、粗品が今さら「YouTuberおもんない」という発言をしたのは、先輩芸人である千鳥の2人からこの問題に対する意見を引き出したかった、という意味が大きいのではないか。
千鳥のようにある程度の地位まで上り詰めているトップ層の芸人は、今さらYouTuberを頭ごなしに否定するようなうかつな発言をすることはない。そのため、真正面からこの問題について個人的な意見を発する機会もほとんどなかった。
答えを渋って逃げを打つ千鳥の2人に粗品が詰め寄ると、彼らは観念したように言葉を絞り出した。
ノブは、面白いからと人に勧められてパルクールに挑戦する人のYouTube動画を見たが、危ないだけで面白くはなかった、と話していた。でも、その手のYouTuberよりも、自分の後輩芸人である大西ライオンのYouTubeチャンネルが一番面白くない、と付け加えていた。
一方の大悟は、息子が面白いと言っていたYouTuberの動画を見て、息子に対して「おもんない、こんなもん、笑うな」「こんなもん、パパになれんかったやつらの集まりや」と言ったという。これを聞いた粗品は立ち上がって両手を上げて歓喜していた。でも、大悟は自分が見た動画が面白くないと思っただけであり、YouTuber全員を否定するつもりはない、と付け加えていた。
さらに大悟は、芸人とYouTuberの違いとして、芸人は自分を見に来ているわけではない観客の前でネタを披露しないといけないこともあるため、YouTuberとは戦い方が違う、という指摘もしていた。ネット上の反応を見ていても、彼の意見に納得する声が多かった。