初めて挑んだドラマ「美しい彼」で注目を集めた八木勇征さん。FANTASTICSのボーカルとして活動しながら多数のドラマや映画に出演している。AERA 2024年4月15日号より。
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――アーティストと俳優をどちらも本業だと捉え、両方に全力を注ぎこむ。激動の日々のモチベーションは何なのだろうか。
八木:僕の作品を観たり聴いたりして何かを感じてくれる人がいることが生きがいです。もちろん自分が楽しいと思えるお仕事をやらせていただいていることも大きいですが、今の僕の原動力は自分のためというよりは人のため。だから、良い感想でも悪い感想でも、何かしら僕の作品に対して思ったことを発信していただけるのは嬉しいし、それが日々の糧になっています。
だからこそ、ファンの方たちとコミュニケーションを取る機会があることがありがたい。いろいろな言葉をいただけることでやりがいを感じます。例えば、僕のことをそれまで知らなかった人が何かのきっかけで知ってくれたとか、具体的な話をしてもらえると、「そうか。あの作品との出合いがこういうことを生むんだ」と思えてすごく嬉しくなります。
もちろんライブ会場に直接足を運んでくれるのも本当に嬉しい。ただライブに行くだけではなく、「メンバーにかわいいって思ってもらいたいから頑張ろう」っていう気持ちのもと、大切な時間を使っておしゃれをして来てくれる。そういう気持ちが伝わってくるとめちゃくちゃかわいいと思いますし、愛おしくなります。ファンの方たちのことが大好きです。
ただ、ライブのチケット代も決して安くはありませんし、僕やグループを応援することで何らかの無理が生じてしまったら元も子もない。ファンの方をハッピーにさせるはずだった僕たちの存在によって苦しい思いをさせてしまうのは、絶対におかしいと思う。
だから僕はよくファンの方たちに「無理はしないでね」とか「自分のタイミングでね」ということをお伝えしています。もし今回ライブに行くことが何らかの事情で厳しかったとしても、いつかまた会える機会を作る努力を僕はしたい。無理せずに、それぞれのペースで一緒に楽しい思い出を作れたらいいなと思っています。