この当時の石川県の「県民割」は、旅行代金が1万円以上2万円未満の場合、1人につき5千円が割引になり、2千円の観光クーポン券がついて7千円分がお得になる。これは日帰り旅行にも適用されていた。
石川維新の会の事務員がこう語る。
「金沢市内の旅行会社が、ホテルの食事、宴会とタクシー代をセットにして県民割が利用できるパッケージを組んでいました。小林氏は、県民割を使えば政治資金パーティーの代金を浮かせることができると考え、使ったようです」
小林氏が旅行会社の担当者とやりとりしたSNSには、「県民割」の明細も書かれた請求書が貼り付けられ、
<クーポン2000円分を当日〇〇(ホテル)さんにお支払い下さい>
との旅行会社からのメッセージに、
<かしこまりました>
と返信している内容が残っている。小林氏がタクシーの送迎場所についても細かな打ち合わせをしているLINEもある。
鈴木宗男氏を招いたパーティーでは全国旅行支援を利用
「県民割」や「全国旅行支援」の利用には、ワクチン接種済みの証明書やPCR検査などの陰性証明書が必要とされていた。
梅村氏は参院大阪選挙区の選出で、官報でも大阪市内の住所が記載されており、「県民割」の対象外とみられる。
その点を小林氏に指摘すると、
「梅村氏からはワクチン接種済みの証明書などはもらっていません。大阪在住でおられるでしょうから、対象外でもありました。おそらく旅行会社には別の人の名前や書類を出して割引対象になったんじゃないかと思います。私の考えが非常に甘かった」
と話した。
関係者によれば、同年11月には、当時、維新所属の参院議員だった鈴木宗男氏を招いて開いた政治資金パーティーでも「全国旅行支援」を使って割引を受けたという。
同年9月30日に関係者と小林氏がSNSでやりとりした打ち合わせでは、
「前回(梅村氏のときは)補助金(県民割)を使っての開催でした」
との指摘に、
「了解しました」
「今回も旅行会社を通じてやってます。請求も旅行会社からになります」
と返信している。