ドジャースの大谷翔平選手は、元通訳・水原一平氏の違法ギャンブル問題について3月25日に会見を行った。
【写真】この頃にはもう戻れない?「ベストフレンド」だったころの大谷と水原
「結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ皆、僕の周りもそうですね、皆にうそをついていたというのが、結論から言うとそういうことになります」
新たな通訳を介して、日本語でそう語った大谷選手。違法ギャンブルはもちろん、水原氏がスポーツ専門ネットのESPNに当初語ったように、負債を肩代わりすることに同意したことも、彼が自分の口座から元締に送金をしたこともないことを明言した。
本人がきちんと公の場に出て声明を行ったことで、日本では大谷選手の関与疑惑はすっかり晴れたという論調の報道が続いている。
だが、米国のメディアでは、まだまだ不可解な部分を指摘する声も少なくない。
この疑惑を最初に報じたLAタイムズの、ベテランスポーツコラムニスト、ビル・プラシュク氏は27日に、
「あなたはまだ大谷を信じるか? 私はわからない」
と題したコラムを発表した。
声明を発表したが質問は受け付けなかった
「何かがしっくりこない。どれほど大谷翔平と、どれほど彼のアドバイザーがきれいに取り繕おうとも、ギャンブル疑惑はまだ匂う。木曜日にドジャースタジアムの開幕戦で笑顔の大谷が登場したとき、私は信じたいと思う。世界的なスーパースターが外見通り、高潔であることを。ドジャースが700万ドルを支払った、伝説の大谷の魔法を信じたい。だが私は完全には信じることができない。いずれそういう日が来るかもしれないが、今はまだ無理だ」
プラシュク氏は、このコラムを執筆しながら自分も気持ちがすっきりしていない、多くのドジャーズファンも同じ気持ちではないだろうか、と続けている。
「大谷翔平はギャンブルの問題を抱えていたのか、あるいは資産管理の問題を抱えていたのか? そのどちらもなかったのか、あるいはどちらもあったのだろうか? 大谷翔平は自分を救うために、親しかった仲間を『バスの下に投げ込んだ(犠牲にした)』のか、あるいは仲間から何百万もだましとられるほどうかつだったのだろうか? 大谷は会見で声明を発表したものの、質問は受け付けなかった。かつては一点の曇りもなかった大谷の姿は雲に包まれたまま、皆が彼を信じたいと思ってはいるものの、そう早くは嫌疑は晴れないだろう」