ベンチで試合を見つめるエンゼルス時代の大谷翔平選手と水原一平氏=2021年9月

 プラシュク氏が疑問に感じているのは、もともと水原氏をESPNのインタビューに応じるようアレンジしたのは大谷選手のスポークスマンだったこと、このスポークスマンがESPNに、大谷選手が「この支払いについては承知していた」と、本人の言葉として残していること、だという。このスポークスマンが一体誰なのかは、現在も不明のままである。プラシュク氏はこう続ける。

「水原が、大谷にも、彼の経理担当者にも、彼の銀行にも疑問を持たれずに450万ドルの使い込みをすることが本当に可能だったのだろうか。またどこのブッキー(ブックメーカー/賭け屋)にせよ、一般人のギャンブラーに450万ドルもの貸し付けをし、返金の財源が盗みによるものではないことを確認しないまま徴収したことも腑(ふ)に落ちない。なによりも水原がインタビューで、大谷はこの支払いを承認したという納得できる説明をした数時間後に、同じ大谷の代理人からうそつき呼ばわりされ、盗みをはたらいたと責められていることに疑問を感じている。どうもつじつまが合わないのだ」

次々変わっていく矛盾したストーリーに関わっている

 また大谷選手が本当に窃盗被害にあったのなら、本来彼を守るべき立場にいるエージェント、ネズ・バレロをまだクビにしていないことも不思議だと述べている。

「誰かがどこかでうそをついている。誰かが何かを隠している。誰が何をしているのかはわからないが、そう感じているのは私だけではないはずだ」

 スポーツ賭博はカリフォルニア州では違法ではあるが、全米的に見るといまだに禁止しているのは全体のうちの12州だけであり、そのことが最大の問題なのではない、と続ける。

「ここで問題になっているのは、ドジャースを背負っている選手が、違法の賭け屋への、少なくとも総額450万ドルの支払いに関して、次々変わっていく矛盾したストーリーに関わっていることだ」

 MLBは先週、「大谷翔平と水原一平氏に関わる容疑」に関して捜査をしていくと発表したが、現在まだ起訴された者はいない、と説明した後にこう書いている。

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