ブルース・スプリングスティーン、消化性潰瘍で二度と歌えないかもと心配していたと明かす

 消化性潰瘍疾患との闘病による6か月間の休養を経たブルース・スプリングスティーンが、先週ワールド・ツアーを再開し、米アリゾナ州フェニックスでEストリート・バンドと共にステージに立ってパフォーマンスに復帰した。

 米デッドラインによると、74歳のロック・アイコンはEストリート・ラジオの司会者ジム・ロトロとのインタビューで、もう二度とライブができないかもしれないと恐れていた時期がつい最近あったと語った。

 「歌い始めると、歌のリハーサルをすることはできるけど、リハーサルでは声は違うんだ。アドレナリンによるエッジがより良い状態に持っていってくれるんだけどそれがなくて、胃の病気になったとき、大きな問題のひとつは歌えなくなったことだった」とスプリングスティーンは語っている。病気のため、彼は2023年から2024年にかけて予定されていたEストリート・バンドとのワールド・ツアーを9月に一時中断し、29公演が延期された。

 彼は、「歌うときは横隔膜を使う。その横隔膜がひどく痛くて、歌おうと努力すると死ぬほど痛かった。だから文字どおりまったく歌えなかったんだ。それが2、3か月続いて、ほかにも無数の痛みを伴う問題があった」と振り返っている。ある時点では、自身の持ち味であるエネルギッシュなパフォーマンス・スタイルに戻れるかまったく分からなかったという。

 「(療養中)みんなに、“いや、治るよ、大丈夫になるから”と言われる前は、“おい、自分はまた歌えるようになるのか?”などと考えていた。ご存知のとおり、僕が一番好きなことの一つ(が歌うこと)なのに、それが(当時は)できなかった」と彼は語り、「医師たちが、“いえ、大丈夫になりますよ”と言うまでしばらくかかった。最初は誰もそうは言ってくれなかったから、不安になった。結局、素晴らしい医師たちに出会えて、治してもらって、彼ら全員に感謝しかない」と話している。

 スプリングスティーンは医療チームのおかげで復帰し、当初は現地時間2023年11月30日に予定され、2024年3月19日に振り替えられていた米フェニックス公演で、セットの最後の曲まで自身の病について触れることなく29曲を歌い切った。2時間45分のセットの終わり近くに彼はMCで、「とんでもなく腹が痛かった」とだけ述べた。

 スプリングスティーンのツアーは、3月25日に米カリフォルニア州サンディエゴのパチェンガ・アリーナへと続いた。