とくに人気なのがレシピ。いちばん「バズった」のが、「めんつゆ漬け揚げ」だという。
「加熱済みのブロッコリーをめんつゆに一晩漬けて、片栗粉を付けて中温の油で揚げる。うちの伝家の宝刀レシピです」
ああもう、絶対旨(うま)いな、それ。記者はいつも茹(ゆ)でて食べるのみ。せっかくの栄養素が抜けてしまいそうな気がしていたが、土田さんは「茹で汁に栄養素が出ているので、そのまま味噌汁にしてみては」と。なるほど!
「または洗って小房に分けたブロッコリー200グラムを耐熱皿に入れ、ふわっとラップをして600Wで2分30秒、レンジでチン。あるいはフライパンにひと株分の小房を入れて塩を一つまみ、水100ミリリットルを入れて中火。沸々としてきたらふたをして2分30秒で、オッケーブロッコリーです」
おっ、いただきました、オッケーブロッコリー。ブロッコリーに目がない記者が安井ファームのXにハマったきっかけが、この何とも不思議で中毒性のある「決め台詞(ぜりふ)」だった。
「ポジティブにブロッコリーの魅力を発信したかったんです。興味のない人にいかに注目してもらうか。日々工夫しています」
若い世代まで届けたい
他にも、ブロッコリーの価格が暴落したときにはそれを逆手にとり、「いまがブロッコリーチャンスタイムです!ぜひ」。一日の始めには「きょうもブロっと参りましょう」。逆に一日の終わりには「ブロッコリーの鐘が鳴る時間となりました」……って土田さん、これは何?
「業務終了の挨拶です(笑)。Xのポストはこれまで24時間365日態勢だったのですが、持続可能な運用にしたいなと」
そしてもっと広く若い世代まで、ブロッコリーの持つ可能性を届けたいと言う。
「可能性は無限大。その未来には明るさしかないと思います」
ということは、ブロッコリーを食べていれば人生、幸せになれますかね? そんな無茶ぶりに土田さん、こう言い切った。
「もちろん! 全ブロッコリーを代表してそう申し上げます」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2024年3月18日号