――ひろゆきさんも「論破王」として知られていますが……。

ゆ:ひろゆきくんは、違う意見を「わかろうとしない人」ではなく、「向き合う努力ができる人」。私たちって、ふだんから割と気が合わないことが多いんですよ。

 でもそれは、単純に「意見が違う」だけで、例えば「ケーキを選ぶときにお互い別々のものを選択した」くらいのことで済むんですね。

 子どもの頃の私にとっては、違う意見そのものが揉め事の種で、「意見が違うこと」イコール「仲良くできないこと」でした。

 でも、ひろゆきくんと過ごすうちに、単に違いは「違う」と受け入れて、そのまま一緒にいられるんだ、ということに気づけたんです。

 それまでは、穏便に済ませようとして、思ってもいないことを言うことも多かったのですが、徐々に普通に意見が言えるようになりました。

ひろゆきさんとの出会いを経て「母親にお金を貸すのを断れるようになった」と答える西村ゆかさん(写真:佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)

お金は信頼関係を壊す

――ひろゆきさんとの出会いを経て、親子関係についても何か進展はありましたか?

ゆ:母親にお金を貸すのを断れるようになったことですね。

 今思うと本当に不思議なんですけど、それまでは「貸して」と言われたときに、「断る」という選択肢がなくて。

 親子だから助けなきゃいけないと思っていたし、「嫌だ」と言っても、「あなたを育てるためにこんなに大変な思いをした」「こういうお金がかかった」などと言われて、お金を貸すことに正当性があるように感じてしまっていました。

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断ってはいけない