A氏が詳細を話した。

「名寄せをしているから。例えば、その辺にある名簿屋から名前と都道府県しか書かれていない名簿を入手したら、それをより詳しいものにするため、ほかで手に入れた名簿の個人情報と合わせてアップデートしていくんです」

「その辺にある名簿屋」というのは、国から認定を受けた正式な名簿屋で、違法なことをしているわけではない。高校の同窓会名簿などのように、団体、組織が正式に作ったものを扱っている。

「そういう人がいるから案外簡単なものです」

 A氏は個人情報を手に入れる方法について、

「企業から情報漏洩されたデータを闇サイトで購入したり、会社員が小遣い稼ぎに、会社保有の個人情報をブローカーに売ったものを買ったり。そういう人がいるから案外簡単なものです」

 と話した。

 取材を進めていくと、実際に闇名簿を売っているブローカーにたどりつくことができた。30代後半のB氏。見せてもらった名簿には、驚くほどの莫大な人数と、詳細な個人情報が記されたリストがあった。B氏は、それらがどうやって作られていくのか、どのように広まっていくのか……など、実態について語った。

カードに関する個人情報は3万件を超えていた

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)