取材をもとに編集部が作成

妊活中のサウナは避けるべし

 上の表は、「精子の状態が低下する可能性がある習慣リスト」だ。順を追って説明しよう。まず、①の頻繁なサウナ通いは、精子の状態が低下する可能性がある。定期的にサウナに通い、サウナ→水風呂→外気浴と温冷交代浴で体を“ととのえる”「サ活」がブームだが、特に妊活中はNG。週に2回、1回15分のサウナに入ることを3カ月続けると、精液の状態が悪くなるというデータがある。サウナ通いをやめても、正常に戻るには3カ月では足りず、半年もかかるとされる。

「精巣は熱によるストレスに非常に弱いため、鼠蹊部は締め付けず、精巣を温めすぎないことが大切です。特に妊活中は、サウナ同様、長風呂もできるだけ控えて」(プリンセスバンク・香川則子さん)

 ②、③も同様の理由からNGだ。②のブリーフやビキニ、ボクサーパンツなどは精子の状態が低下する可能性がある。ぴったりした下着は精巣の温度を上げたり、血流を圧迫したりするためだ。また③膝の上にPCを載せて作業をすると、PCの発する熱で精巣付近が温められ、精巣機能が低下するとされる。

自転車も要注意

 ④自転車が趣味、と言う人も要注意だ。自転車に乗ると精巣が圧迫され、血流が悪くなり、勃起力が低下することがあるという。

「妊活中の方で自転車に乗る場合は、軽いサイクリング程度にとどめると良いでしょう」(辻村教授)

 ⑤薄毛(AGA)治療と妊活も並行しないほうがいい。AGAなどに用いられる薬に5α還元酵素阻害薬がある。男性ホルモンが活性化することで生じる、AGAの原因となる活性型DHT(ジヒドロテストステロン)を抑制する。しかし、男性ホルモンには精子形成や性機能に欠かせない役割がある。ジヒドロテストステロンの活性を抑えると、勃起障害や精液量、精子量の減少などの副作用につながる場合があるのだ。

「妻にも黙って薄毛治療薬を飲んでいる男性もいるようです。妊活を長くしているのに、なかなか子どもができず悩んでいた夫婦で、実は夫が妊活期間中ずっと薄毛治療の薬を飲み続けていたことが後からわかったケースもありました。時間を無駄にしないためにも、先に精子保存しておくなど、治療と妊活の方針をパートナーと共有することが大切です」(香川さん)

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