坂爪さんは、海外出稼ぎに行く女性について「黄金期を経て、稼げなくなったアラフォー女性が、海外に目を向けているのでは」とも推察する。1999年に改正風営法が施行されて以降、現在に至るまで都市部を中心に無店舗型のデリヘルが急速に発展するが、2000年代初頭はまだ店舗型風俗店、いわゆる箱ヘルが主流だったこともあり、今よりずっと歓楽街に活気があった。今のアラフォー世代は、そうした2000年代初頭に20歳前後だった世代で、年齢的に最も稼げる時期と活気ある時代とが重なったいわば“黄金期”を過ごした世代でもある。

「しっかり稼げた黄金期を過ごした世代で、“昔ほど稼げなくなったけど、収入は下げたくない”という人が、今海外に目を向けているのではないでしょうか」(同)

 確かに、日本の性風俗マーケットは“18歳から24歳前後がもっとも稼げる年代”とも言われるくらい、年齢至上主義の世界であることは紛れもない事実だ。筆者の感覚としても、海外出稼ぎを考える女性たちは、性風俗の仕事を前向きに捉え、日本でも一定の“成功体験”を持ったうえで、「もっと稼ぎたい」「もっと成功したい」と考える傾向があるように感じた。もっとも話を聞いた女性たちに限っては、「稼げなくなったから」というよりは、「日本でも一定稼げているけど、もっと稼ぎたいから」という理由が多かった。

 自身も風俗業界で働いた経験を持ち、性風俗業で働く人々を支援する当事者団体「SWASH」メンバーの要友紀子さんは、こう話す。

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