その結果、「国内の風俗で思うように稼げない人が増えている」と話すのは、性風俗で働く女性を対象にした無料の生活・法律相談事業を行うNPO法人「風テラス」理事長の坂爪真吾さんだ。坂爪さんによれば、国内の風俗店が増加した結果、そこで働く女性も増え、需要と供給のバランスが崩れていることで、風俗の低価格化に拍車がかかっているという。さらにネットを通じ、誰もが風俗の求人情報にアクセスしやすくなった影響もあり、「風俗の仕事以外でも十分に稼げる人たちが、風俗業界に入ってくるようになった」傾向も見られている。
「ここ20年ほどで、国内の風俗の単価はぐっと下がり、以前のように誰もが稼げる仕事ではなくなってきています。それでも一般社会での昼職よりは稼げるとあって、育ちも良く学歴もあってコミュニケーション力も高いような人が、風俗業界に次々と入ってくるようになりました。ネットで“自分の地域名+高収入”などで求人を検索すると、デリバリーヘルス(デリヘル)などの風俗の仕事が多数ヒットします。こうして誰もが簡単に風俗の仕事にアクセスできるようになったのも、流入が増えている要因の一つでしょう。競争が激化するなかで、稼げる層と稼げない層の二極化が生まれています。特に後者の人にとって、高額な海外出稼ぎの案件は、リスクがあったとしても飛びつきたくなるのかもしれません」(坂爪さん)