フェニックスで行われたスプリングトレーニングに参加し、カメラマンにポーズをとって笑顔を見せるロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平=2024年2月28日(写真:AP/アフロ)

 東京都在住の40代女性は嘆き節だ。幼い息子にエンゼルス、ドジャースの帽子を買い与え、郵便局が販売する大谷翔平プレミアムフレーム切手セットを居間に飾って家宝にするほどに大谷に夢中だった。先日も大谷が訪れたというもんじゃ焼き屋に足を運んだ。大谷自らの発表に祝福の思いを持ちながら、胸中は複雑だという。

「もんじゃ焼き屋で『彼女はいるのかな』『彼女と外食することもあるのかな』と友人と一緒に話していました。週刊誌などでの報道が先にあれば心の準備期間を持てましたが、いきなり本人からの発表となると疑いようもなく、心臓に悪かったです」

 千葉県在住の50代の女性も「大谷結婚」の速報を見て、大きな衝撃を受けた。

「夫が野球経験者なので、私がテレビを見ながら大谷さんを応援していると、『ルールも知らないくせに』と白い目で見られます。でもクリスマスプレゼントにくれたディオールのコフレよりも、夫が三菱UFJ銀行でもらってきてくれた大谷さんのカレンダーの方が、数百倍嬉しかったです」

 女性は、愛犬のデコピンと一緒にインタビューにこたえる大谷を見ながら「デコピンになりたい」と思っていたという。

「笑って楽しそうに野球をしている大谷さんを見ながら、『こんなに才能に恵まれて、人間的にも素晴らしい人と同じ時代を生きている』と幸せになっています。大谷さんにも幸せになってほしいです」

 毎朝の試合中継が日々の楽しみと話す東京都の70代女性は母親目線で大谷の活躍を好ましく見ていたと話す。

「本当に楽しそうに野球をしている姿が毎日の活力になっています。息子を見るような気持ちで、素敵な女性を伴侶にと勝手に願っていましたが、これからは願わなくていいというのが寂しくもあります。今年は家庭を持った大谷選手がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみですし、またたくさんの笑顔を見たいです」

 年代問わず多くの人たちに愛される大谷。新天地に加え、新たに家族も増えた今、独身時代とはまた一味違った姿が見られるのか。ますますの活躍を願ってやまない。

(編集部・秦正理)

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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