子どもに対して、「勉強しなさい」とストレートに言っても、効果は薄いものです。よく思うのですが、この「勉強しなさい」という言い方は、まるで親が子どもに勉強してほしいかのようなニュアンスがあるような気がしませんか? そうして自分の希望をかなえた親にはメリットがありますが、子どもにはメリットがないように感じられます。
勉強することのメリットを伝える
ですから、子どもにとってメリットがあるということを、きちんと分かってもらわなくてはいけません。たとえば、もし子どもが宇宙飛行士に憧れているならば、「宇宙飛行士になるなら、これくらいの勉強はできるようになっておきたいね」というように、子どもにとってメリットがあるとわかるように言葉を伝えるのです。
勉強することにメリットがあると理解すれば、子どもは今後も「やってみよう」と思うようになり、伸びていくでしょう。
ただやみくもに、「こうしなさい!」と親の要求を伝えても、子どもは動かないものです。子どもにしてほしいことがあるならば、子どもの立場にたって、メリットとデメリットを考えましょう。それを伝えた上で、「これをやりなさい」という言葉を伝えてみれば、子どもはすんなりと動くようになります。
【著者からのお知らせ】
子どもを動かす、やる気をうながす声掛けのこつなどを、2022年7月発売の新刊『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』(講談社)でも紹介しています。決して怒らず、命令ではない「子どもを伸ばす言葉」への言いかえ例を、あらゆるシーンからまとめた一冊です。ぜひご覧ください。