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北極付近に蓄積していた寒気が、中緯度帯に放出しています。負の北極振動と呼ばれる現象です。日本にも寒波をもたらすことのある現象ですが、今回、日本ではこの現象とはあべこべに、季節先取りの暖かさになっています。その原因と今後の見通しです。

北極付近の寒気放出 ニューヨークではこの時期らしい寒さ 積雪も

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北極付近に蓄積していた寒気が、2月に入って、中緯度帯に放出しています。
上の図は、2月上旬の上空5500メートル付近の大気の状態です。オレンジ色は平年より高度が高く、水色は平年より高度が低いことを示しています。北極付近は相対的にも高度が高くなっています。このため、北極付近に蓄積されていた寒気は、相対的に高度の低い中緯度帯に流れ出しやすくなっています。負の北極振動と呼ばれる現象です。

今回、例えば、アメリカ東北部に度々寒気が流れ込み、現地時間14日頃は、上空5400メートル付近でマイナス30℃以下の強い寒気が流れ込みました。ニューヨークセントラルパークでは、最高気温41℉(5℃)以下と、この時期らしい寒さが続いています。雪も降り、現地時間14日は積雪の深さ2インチ(約5センチ)を観測しました。

日本は季節先取り 何故こんなに暖かい?

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北極付近の寒気が中緯度帯に流れ出しやすい負の北極振動のときは、日本も寒波に見舞われることがあります。ところが、今回、この現象とはあべこべに、季節先取りの暖かさになっています。

一番上の図は、きのう17日の日平均気温の平年差です。日本は平年より高い黄色やオレンジ色が目立ちます。
きょう18日午後3時までの最高気温は、仙台市で15.3℃、東京都心18.8℃、大阪19.7℃、福岡21.9℃など、いずれも4月並みと、季節先取りの暖かさになりました。

上の図は、今月2月16日まで5日間の上空5500メートル付近の大気の状態です。日本付近はオレンジ色で、高度が平年より高くなっています。日本付近の高度は相対的にも高く、北極付近の寒気は日本には流れ込みにくくなっています。このため、日本は冬の空気ではなく、春の空気に覆われています。
日本付近で高度が高くなり、それを強めている原因の一つは、図の矢印のように、波のエネルギーが伝わっているためです。

今後の見通し

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この後、北極付近の寒気が中緯度帯に流れ出しやすい負の北極振動は、次第に解消するでしょう。とはいうものの、北半球全体が一斉に春に向かうことはありません。

日本では、又もやあべこべです。負の北極振動が解消するにもかかわらず、この後は、寒気が流れ込みやすくなるでしょう。
上の図は、2月の最後の週から3月に入る頃にかけての上空5500メートル付近の予想図です。日本付近は水色で、高度が平年より低くなる見込みです。日本付近では相対的にも高度が低くなります。このため、西シベリア付近で生成された寒気が、日本に流れ込みやすくなるでしょう。
日本付近で高度が低くなることを強めている原因は、図の矢印のように、ヨーロッパ方面から伝わる波のエネルギーです。もう一つ、アラビア半島付近からも波のエネルギーが伝わり、日本付近の高度が低くなることを強めています。

26日から3月1日の5日間平均気温は、近畿から九州北部は、平年より低い予想です。九州南部や奄美、沖縄は平年よりかなり低くなるでしょう。寒の戻りに備えて、暖かいセーターなど、冬のアイテムは、少し残しておくとよさそうです。