一方で、苦手な算数は手をつけないで放置する有り様でした。そもそも、僕は勉強が好きではなく、デキる自分が好きだった。だから算数はテストのときも開始から焦っていて、「自分は苦手だから人と同じようにやってちゃダメだ」と式を書かずに筆算を書き散らして解こうとする感じでした。式を書くとわかってないことをまざまざと自分自身に見せつけられちゃうから逃げてただけなんですけど……(笑い)。
中学受験をすると決めてからは、できなかった問題をできるようになるという地道なところから始めるために、母親が作ってくれたのが「復習ノート」でした。とはいえ、×がついている問題をコピーしてノートに貼り付けるだけのものなんですが、弱点を集めた自分だけのトレーニンググッズになるので、効果テキメン。そこに貼ってある問題を、スラスラ解けるようになるまで反復しました。なによりも、わからないことをわかるようにする、間違えても次間違えなければいい、みたいな勉強の基礎を学び取れたのが良かったですね。
受験勉強は焦らない 日々の成長を楽しむ
中学受験を振り返ると、子どもは日々学校や塾で戦い、疲れて家に帰ってくるはず。家はまず第一の休息場所として機能し、その上で採点では拾われなかった小さな努力を見つけて褒めてあげることがモチベーションにつながるはずです。自分も復習ノートを地道に作ってくれた母の努力だとか、その過程での「これはバツになってるけど、理解はしていそうだね」といった、塾では掘り起こされなかった努力の評価などがモチベーションになりました。焦らず、日々の少しずつの成長を楽しむことが、結局息切れしない受験生活につながるはずです。
中学でのクイズ研究部入部のきっかけはひょんなことで、部活動の勧誘会で本命の部活への入部を終え、時間が余ったのでクイズ研究部の体験会に参加したら意外と面白くて。
当時は部員も一桁で、みんな弱く、ちょっと運がいいと先輩にも勝てる部活でした。入った当初はゆるゆるな部活でしたが、先輩方が面白く、いつかあんなに面白いことをいっぱい知っている人になりたい、という思いで部活にのめり込んでいきました。中1の秋ごろから本格的にクイズの勉強を始めて、中3の頃には12時間くらいやっていましたね。