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「金がないのは、首がないのと一緒」。そんな言葉を強調するのは、88歳で現役社長の吉川幸枝(よしかわ・ゆさちえ)さん。吉川さんは、「¥マネーの虎」にレギュラー出演(2001~2004年)し、大きな宝石を身にまとうスタイルで「歩く百億円」と呼ばれて有名に。現在も、88歳で現役の経営者として活躍している。吉川さんの著書『人生は80歳からがおもしろい』(アスコム刊)から、吉川さんの名言を本人による解説とともに紹介する。

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「金がないのは、首がないのと一緒」

 私は、今も「歩く百億円」なんて言われていますけど、13人きょうだいの末っ子として生まれました。幼いころは、おにぎり一つさえ食べられない生活でした。

 そんな暮らしでも、母は泣き言一つ言わず、頑張って働いて一家を養っていましたが、一方でこんなこともよく口にしていました。

「金がないのは、首がないのと一緒」

 お金がないということは、人間にとって一番大事な(首から上の)頭がないのと同じこと。それがなければ、何もできないというくらい大変なこと。

 母の言葉はそういうことだと思いますが、それを私なりの言い方に変えたら、「お金がないのは、脳みそがないのと一緒」「脳みそがなければ、何も考えられなくなり、今よりもっと貧しくなってしまう」となります。

 そう考えると、お金がないならなおのこと、頭を使って考えることが大切だと思えてくる。頭を使って知恵をつけて、「首」をなくさないようにすることが、やがてお金につながっていくんだって、そう思えてきます。

「どうせ金もないし」は儲けのチャンスを遠ざける

 人間カツカツの暮らしをしていると、心も貧しくなります。ひがみっぽくなり、卑屈になって、余裕もなくなっていくものです。

 でも、私の母はどこかおっとりして、ユーモアがあり、前向きでした。「お金がないのは首がないのと一緒」と言いながら、「寝るほどラクはあるか!? 知らぬたわけ(頭が悪い人)は起きて働く」とも言って、「はよ寝なさいよー」と、子どもたちを床に就かせていました。

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一銭でも儲けていこうという気持ちが大事