山下美月(やました・みづき)/1999年生まれ。2016年、乃木坂46のメンバーに。俳優としての出演作に映画「映像研には手を出すな!」など(撮影/蜷川実花 hair JUN GOTO(ota office) make up 早坂香須子 styling 斉藤くみ costume STELLA McCARTNEY、AFFECT prop styling 遠藤 歩)

 2023年にドラマ5本に出演した乃木坂46の中心メンバー・山下美月さん。「これからは生き急ぐのではなく、仕事とプライベート、どちらも充実させたい」と語る。AERA 2024年1月29日号より。

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山下美月(以下、山下):コロナ禍になる前までは、マネージャーさんに「休みはいらないので、仕事はどんどん入れてください」と伝えていたほどの仕事人間でした。けれど、外出自粛期間となり、世の中の流れがすべてストップしたときに初めて心から休むことができ、考えが少し変わりました。

 ちょうど20歳という節目の年を迎えたこともあり、これからは生き急ぐのではなく、仕事とプライベート、どちらも充実させたい、と思うようになっていたんですね。趣味や休息の時間は仕事をするうえで決して“悪”ではなく、そうしたプライベートな時間で得たことも巡り巡って仕事に繋がっていく、ということもわかるようになりました。

――昨年末、仕事の合間を縫って開催中の展覧会「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」に足を運んだ。もともと蜷川が手がける作品が好きで、これまでも積極的に観てきたのだという。

山下:1度目はマネージャーさんとお邪魔し、改めて「すごく好きな世界観だな」と。そして「同じグループのあの子も、きっと蜷川さんの世界観が好きだろうな」と思い、2度目は後輩とともに足を運びました。

 アイドル歴はだいぶ長くなってきましたし、グループのなかで年上になってきたので、自分が経験を通して身につけたことを伝えていく立場になっていかないと。私もアイドルとしてはまだまだ未熟な面もありますが、これからの乃木坂46をもっと輝かせてくれる子たちに、これまで経験してきたことをちゃんと伝えていきたい、という気持ちが大きくなっています。

人間って一人一人違う

――それは先輩たちからそのように接してもらった経験があるからなのだろうか。自分だけでなく、周囲にも気を配ることができるようになったのはなぜなのだろう。

山下:グループで活動していると、色々な人の行動を目にする機会が多くて。たとえば同世代の人々が集まる学校という組織のなかでも、「人間って一人一人はこんなにも違うんだ」と身をもって感じることがありますよね。そうした驚きがこの年齢までずっと続いている感じです。最近加入したメンバーには7、8歳年下の後輩もいるのですが、彼女たちから学ぶことも多く、「年齢問わず、色々な人から吸収したい」という気持ちはありますね。

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