ビリー・ジョエルが最後にポップ・アルバムをリリースしたのは、1993年の『リヴァー・オブ・ドリームス』だったが、30年以上が経過した今年、彼の新しいポップ・シングル「Turn the Lights Back On」(ターン・ザ・ライツ・バック・オン)がリリースされる。
ジョエルの長年のレーベルであるコロムビア・レコードが、この楽曲を現地時間2024年2月1日にすべてのデジタル・サービス・プロバイダーと限定版7インチ・レコードでリリースする。また、ジョエルのYouTubeチャンネルでリリック・ビデオも公開される。
米ビルボード・ソング・チャート”Hot 100”で33曲のTOP40ヒットを記録しているジョエルは、昨年12月19日に行われた米NYマディソン・スクエア・ガーデンでのコンサートでこの新曲についてほのめかし、「いいニュースがある。悪いニュースもある。まず悪いニュースから言おう。皆さんのために演奏できる新しい楽曲はない。良いニュースは、それが何なのかわからないものを我慢して聴く必要がないということだ。でも、僕たちが取り組んできたちょっとしたものがあるから、いつか聴けるかもしれないよ」とMCで語った。
ジョエルがフレディ・ウェクスラー、アーサー・ベーコン、ウェイン・ヘクターと共作し、ウェクスラーがプロデュースしたこのポップ・ソングには、”Did I wait too long ... to turn the lights back on?”(明かりをつけ直すのを待ちすぎたかな?)という歌詞が含まれている。これは彼が2007年に発表した「All My Life」以来となる歌詞入りの楽曲で、当時の妻ケイティ・リーのために書かれた、シナトラのような豊かなバラードは、米ビルボード・シングル・セールス・チャート”Hot Singles Sales”で1位を獲得した。
「Turn the Lights Back On」が1曲限りなのか、それとも他の楽曲に先行するものなのかは不明だが、ジョエルはポップ全盛期に戻ることへのためらいを公言していることから、今回の新曲はより歓迎すべきものと言える。彼は「All My Life」のリリースから数か月後の2007年に米ビルボードに対し、「また曲を書く可能性を排除しているわけではない」と述べ、「曲を書く意欲があれば、それを止めるつもりはない。ただ、ポップな形で曲を書こうという衝動は感じていないんだ。最近は自分のことを作曲家だと思っているんだろうね」と語っていた。
もっと最近では、ジョエルはレコーディングをやめるという決断について米ニューヨーカー誌に対し、「僕が怠け者だからとか、ただ反抗しているだけだと思う人もいるけど(中略)でも、そうじゃなくて、僕はただ、もう言いたいことは言ったんだ」と述べ、「レコーディング・スタジオに入って、またあのような生活をしたり、アレンジャーや編曲家、指揮者、プロデューサーなど、他の人たちが関わる別のプロジェクトを引き受けるのは気乗りがしない。そんなことには関わりたくないんだ」と話していた。