今年話題となったドラマ「VIVANT 年納め年初め一挙放送SP」(TBS系)が31日、放送される。数々の名作を生みだした日曜劇場の枠で放送。ラリー遠田氏は「サブスク時代に適応したテレビドラマの理想的な形」と評した(9月16日に配信した記事の再配信です。年齢、肩書等は当時)。
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堺雅人が主演を務める日曜劇場『VIVANT』(TBS)の最終回が、いよいよ17日に放送される。この作品は、『半沢直樹』『下町ロケット』『ドラゴン桜』など数々のヒット作を世に送り出してきた福澤克雄氏が演出・原作を手がけるオリジナルストーリーである。
放送前から注目されていた本作は、7月に始まるとすぐに評判を呼び、回を重ねるごとにどんどん視聴率も上がり、今期のドラマで一番の話題作となっている。
『VIVANT』は、日本のテレビドラマとしてはあらゆる意味で破格の作品である。まず、明らかに制作費の桁が違う。堺雅人をはじめ、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、役所広司といった豪華なキャストを集めている上に、俳優やエキストラを大量に動員して、海外などで長期ロケを行うことで、情報量が多く密度の濃い映像を作っている。
先の読めないストーリー展開
さらに、一番の魅力となっているのが先の読めないストーリー展開である。第一話の冒頭では、冴えない商社マンの乃木憂助(堺雅人)が誤送金トラブル解決のために中央アジアのバルカ共和国に飛ぶ。そこでさらなるトラブルに巻き込まれ、彼は命からがら砂漠地帯をさまようことになる。ここからさまざまなキャラクターが登場して、物語はどんどん予想外の方向に転がっていく。
序盤こそ乃木、警視庁公安部の野崎守(阿部寛)、医師の柚木薫(二階堂ふみ)の3人を軸にして話が展開していくものの、中盤以降はその構図も崩れていき、ますます意外な展開を迎えることになる。
最終回を目前に控えた現時点でも、物語がどういうふうに着地をするのかは不明であり、ドラマ内の事象にあれこれ考えをめぐらせる「考察班」が思い思いの仮説を披露している。