経団連の主要企業は慣れたもの
A氏は、現役時代、安倍派の政治資金パーティーがあると1枚2万円のパーティー券を売りさばいてきた。パーティー券には通し番号が振ってあり、その番号でどこの事務所が誰に売ったかが把握できるようになっていた。パーティーに参加したい客は、自分の氏名とともに、その通し番号を記入して、口座に金額を振り込む手はずになっていたという。
「基本的に、安倍派は紙の振込用紙を使っていました。振込先の口座は安倍派の事務局だから、議員個人の事務所に直接お金が入ってくるわけではない。派閥の事務局にいったん金が集まることで、そこからキックバックされるというシステムが生まれたんです」
安倍派の関係者は、パーティー券を売る際にこんな“裏技”を使ったと明かす。
「2万円のパーティー券をそれなりの枚数売るのは実は簡単ではないんです。だから『5枚以上買ってくれたら<桜を見る会>に1人ご招待します』とお願いして買ってもらったこともあります」
あの「桜を見る会」までもが政治資金パーティーに利用されていたとは驚きである。
A氏とは別の安倍派の国会議員の元秘書・B氏はパーティー券をさばく苦労をこう話す。
「定型サイズの封筒の中に、A4サイズのパーティーのお知らせのチラシを三つ折りにして、振込用紙と一緒に入れるんです。それを持って企業や団体の秘書室の政治担当にお願いしに行くのですが、経団連の主要企業は慣れたものですよ」