武内陶子さん(撮影/写真映像部・和仁貢介)

「どうする!? どうする陶子!」

 そんな極度にピリついた空気の中、武内さんが司会をした03年は、集計システムに不具合が生じてしまったのだという。

「新しい集計システムを取り入れたら、本番だけうまくいかないっていう。逆に持ってるなと思いますけど(笑)。そのときはもう『どうする!? どうする陶子!』みたいな。1秒ぐらいの間にこれまでに経験したことが走馬灯のようにどわーっと頭に流れてきて、私の細胞の中に入ってるいろんな人たちが、『頑張れ! 武内頑張れ!』って言ってるの(笑)。いろんな人が『巻けー!』とかって合図を出していたんですけど、いったん呼吸を整えて、最後は時計とずっと一緒にやってきたFD(フロアディレクター)さんのことだけを信じて、腹を決めて冷静になることにしたんです。そしたら、集計システムが直って、白組勝利、じゃあ最後は『蛍の光』でお別れです、皆さまどうぞよい年をお迎えください!って言って、特効(キャノン砲や紙ふぶきなどの特殊効果)パーンからのゴーーン……ですよ。でもそれから、緊張が4日ぐらい解けなかったですね(笑)」

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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