宝塚会見の「最大の問題点」
しかしながら、まだまだ教育現場では、いじめた側に強い態度で臨むことを避ける雰囲気は残っているという。
「警察が介入すべきケースはもっとあります。いじめの認知件数が過去最多となっている今、子どもが安心して学校に通える環境を急いで整備する必要があります。教育現場では、過重労働の問題や人手不足、激務に比して収入が低いなどさまざまな問題点が指摘されていますが、これらは全ていじめの問題とリンクしています。人手不足でいえば、いじめ問題に対応するスクールカウンセラーの増員が喫緊の課題です。例えば各学校に、少年課や刑事課の勤務経験豊富な警察官OB等を雇用すれば、教育現場に有益な知見をもたらすことができます。学校関係者以外を配置することに意味があると思います。こうした“改革”を今すぐ実行する必要があるのです」(同)
学校以外でも「いじめ」は社会問題になっている。
宝塚歌劇団の現役団員が急死した問題では、10月7日と11月14日に歌劇団は記者会見を開いた。ところが被害者に寄り添った内容とは到底言えず、隠蔽に走る教育委員会の姿を思い出した人も多かったはずだ。
「最大の問題は、調査を行ったのが独立性の保障された第三者委員会ではなかったことです。歌劇団は、調査チームとして、『外部』の弁護士事務所に調査を依頼したと説明していますが、これでは歌劇団の顧問弁護士と関係性は変わりません。弁護士は同じ事務所で、事務所は阪急電鉄との関係も指摘されました。宙組の4人がヒアリングを拒否したことも明らかになっています」(同)