狙えるのはどんな銘柄か。藤本さんがまず挙げたのは、阪急阪神ホールディングス(HD)だ。阪急阪神HDは関西の私鉄グループで、阪神のオーナー企業でもある。阪神のホームグラウンドである阪神甲子園球場の最寄り駅は、グループ傘下の阪神電鉄の甲子園駅。優勝に向けて旅客数の増加が期待できる。同社は不動産やホテルといった事業も展開し、大阪の中心地・梅田エリアの再開発にも力を入れている。関西圏の消費や景気の盛り上がりを吸収しやすい。
次に挙げたのは、2007年に阪急百貨店と阪神百貨店が統合してできたエイチ・ツー・オー・リテイリング。傘下の食品スーパーと合わせ、阪神が優勝すれば特売やセールで売り上げ増が見込まれる。百貨店業界は、回復に向かうインバウンド(訪日客)需要の追い風も吹いている。阪神の優勝で弾みがつきそうだ。
意外なところでは、ARE・HDを挙げた。藤本さんは言う。
「岡田彰布監督が優勝の隠語として使う『アレ』をほうふつとさせる社名です。今の社名に変えたのは阪神とは関係がないようですが、もともと業績の割に知名度はそれほど高くありませんでした。阪神の優勝をきっかけとしてより広く知られるようになれば株価ももっと伸びるかもしれません」
同社は神戸市が本社で、産業廃棄物処理や貴金属リサイクルを手がけている。資源の重要性や環境意識は今後も高まると考えられ、成長の余地は小さくなさそうだ。