確かに、いつも理由もなく酒を口にし、ついつい量を飲んでしまう人は少なくないだろう。
吉本さんは、酔いたいからではなく、そののど越しを楽しみにお酒を楽しんでいる人などは、ノンアルが置き換わりやすい。一方で、アルコールの力を借りないと眠れないというような人は、代わりにはなりにくいと考えられるという。
日本で、アルコールがまったく含まれない本格的なノンアル飲料の開発が始まったきっかけは、2007年の道路交通法改正で、飲酒や酒気帯び運転に関する罰則が強化されたことだ。世間の目が一層厳しくなったことが追い風になった。
当時は「まずい」と酷評する人がいたが、今では味も抜群においしくなり市場は拡大を続け、スーパーの棚には多種多様なノンアル飲料が並ぶ。そんなノンアルにハマってしまった愛好家もいるとかいないとか。
チェイサーのように挟む人
吉本さんは、
「企業努力によって、ノンアルの味がおいしくなったがゆえにできた研究でもあります」
と話す。
ノンアルの提供を受けた参加者は、ノンアルを先に飲んでおなかを満たしたと話す人や、チェイサーのように間に挟む人、最後の一杯をノンアルでしめる人などさまざまな楽しみ方を試してみながら、お酒を減らしていた。
「ほろ酔いですませたかったけど、いつもそうならずに飲み終えた後や翌朝がつらいだけになる人がたくさんいます。本当はそこまで酔いたくない、という思いに、意外なほどおいしいノンアルがフィットしたのかもしれません。お酒より安くてコストパフォーマンスもいいですしね」(吉本さん)