一方の提供を受けなかったグループは、12週目の時点でノンアル摂取量は実験前の「月平均で1回以下」とほぼ変化がなく、純アルコールの摂取量も2・7グラム減にとどまった。

 ノンアルが減酒に有用だと示唆された結果だが、吉本さんは、

「ノンアルを提供したグループのノンアル摂取量の増加と、飲酒量の減少に相関が見られ、ノンアルがお酒に置き換わった可能性が考えられます。1日平均で純アルコールの摂取量が11・5グラム減ったということは、アルコール5%の350ミリリットル缶ビールは純アルコール量が14グラムですから、それと置き換わったイメージでしょうか」

 と解説し、こんな感想を口にする。

本当に減るんだ!

「ノンアルがお酒と置き換わりそうなことは、ある程度予測はついていました。ただ、今回の参加者はお酒を減らそうとは思っていない人たちばかり。その点を考えると、本当に減るんだ、という驚きもありました」

 さらに興味深いのは、ノンアルの提供を受けたグループは、提供が終わったあとの観察期間の8週間も、実験中より量は少ないものの、自分で購入するなどしてノンアルを飲み続け、飲酒量が減った状態が持続したことだ。

 一体なぜなのか。

 その理由について吉本さんは、

「ただなんとなくお酒を口にしていた人たちの生活習慣が、ノンアルが手元に届き続けお酒と置き換わったことによって、リセットされた可能性があります。飲酒量が減ったことで、なんであんなに飲んでいたんだろう、と思うようになったのではないでしょうか」

 と推察する。

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企業努力でノンアルの味が進化