奥菜恵(撮影/門間新弥)
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 4月に所属事務所を退所し、9月には持病の「尋常性白斑」を告白した俳優の奥菜恵(44)。10代では“清純派”ともてはやされ、その後一転して、“魔性の女”として注目を集めてきた奥菜は今、大きな転換点を迎えている。私生活では3回の結婚をへて、2児の母としての顔を持つ。虚実ないまぜになった自身への評価について、本人は何を思うのか。AERA dot.のインタビューで奥菜が口にしたのは、10代のころの「孤独といら立ち」、そして母となった今の「死んでもいいほどの幸せ」だった。

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「進行形の病気なのでいつまで表に立っていられるかも正直分かりません」

 9月初旬、奥菜はSNSで、皮膚の色素細胞が減少・消失してしまう「尋常性白斑」を発症していることを公表した。マイケル・ジャクソンが患っていたことでも知られる病気だが、発症当時のことを、奥菜はこう振り返る。

“2~3年前、首の後ろとかおなかに、白く色が抜けたような箇所をいくつか見つけたんです。なんだろう?と思って病院を受診したら、尋常性白斑と診断されて。お医者さんには、「これは進行性の病気だから、どんどん体中に広がっていく」と言われて、頭の中が真っ白になりました。”

 俳優という職業柄、仕事を続けていけるのか悩み、落ち込んだ時期もあったという。

“でもどうあがいたってこの現実は変えられないし、静かに受け止めて、切り替えて、生きていくしかない。今も飲み薬や塗り薬で治療は続けているんですけど、一つ白斑が消えたと思ったら別の場所に出てきちゃったりして。よくなっているのかはちょっと分かりません。”

 だが奥菜は、この経験をバネにして新たなアクションを起こす。肌の悩みを抱えている人のために何かできることがあるのでは? と、敏感肌の人も安心して使える美容液を一からプロデュースしたのだ。そして製品発表のタイミングで、自身の病気のことを告白した。

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事務所を退所した「本当の理由」