そして今回の法案が成立すると、首相が45万円程度の賃上げで約4060万円に、大臣が32万円程度の賃上げで約2961万円になるようだ。ただ、首相は3割、大臣は2割を国庫に自主返納しているので、それを踏まえると、計算上、首相で31万円程度、大臣で26万円程度の賃上げになる。
与党議員「賃上げを率先してやらないといけない」
報道によると、自民党や公明党の政治家からは「返納しているのだから全く問題ない」「政府は賃上げを掲げているので率先してやらないといけない」といった声があがっているという。
返納しているとはいえ、賃上げの必要性があるほど低い額になるわけではないだろう。焦点となっている減税についても決まっていない状況で、自分たちの給料は率先して上げるとなれば、国民から怒りや批判の声が出てくることはわかっていそうなものだが。それでも特別職の給料を上げる理由は何なのだろうか。
内閣人事局の担当者に尋ねると、
「人事院の勧告により、一般職の指定職の給与があがるため」
と説明する。
「指定職」とは一般職国家公務員の幹部のこと。本省の部長・審議官級以上や研究所長、病院長などが該当する。人事院は今年8月に、国家公務員の一般職の給与を上げるように勧告している。これを受けて10月、政府は人事院の勧告通りに初任給や月給などを上げることを決定し、今国会にその法案が出されている。
しかし、人事院の勧告には特別職についての言及はない。