このCMは9月から全国で放送が始まった。10月半ばにメディアに取り上げられたことで話題になり、SNSには「言われないとAIだとわからない」「スキャンダルの心配ないからいいよね」「タレントの仕事減ってくのかな..」(原文ママ)などのコメントが並んだ。
AIが専門の慶應義塾大学の栗原聡教授は、CMについてこう話す。
「このタイミングでの起用に驚きました。『人間の仕事が奪われる』などネガティブな言説があったり、最近は実際にハリウッドの脚本家や俳優がストライキを起こしたりなど、AIに対するネガティブな印象も広がっている時期なので、意外でした」
一方で懸念もあるという。
「すぐさまAIタレントが主流になっていく、という訳ではないと思いますが、これを機にCMに人間以外を使用する流れが生まれる可能性はあります」
さて、「不気味の谷」の話だ。人を模した精巧なCGが出てくると、「不気味の谷」を超えたのかどうかが、話題になってきた。
この概念は、半世紀以上前にロボット工学者の森政弘氏によって提唱された。ロボットが人間に近くなってくると親近感が増していくが、ある時点に達すると親しみが急激に不快感に変わる、という現象のことをいう。