河村市長が狙っているのは愛知5区だ。
現在は、自民党の神田憲次氏が小選挙区で当選を続け、維新の岬まき氏が比例復活当選を果たしている。岬氏はAERAdot.でも報じたように、減税日本と維新の公認で出馬した2019年の参院選で「経歴詐称」が発覚し認めた。
河村市長は、
「嘘はイカン、許せない」
と激怒していた。
「コテンパンにやってつけないとダメ」
「ずっとやってきた愛知1区で出たいが、5区という手もあるわな。岬氏とはいろいろ因縁があるから、コテンパンにやっつけないとダメだわ。1区はワシの地盤なのでしっかりした候補者なら勝てるとみておる。5区に出ると相乗効果で他の小選挙区にも波及し、票が伸びるはずだわ」
と河村市長自身の衆院選出馬に意欲を燃やしていた。その場合、名古屋市長は辞職となる。後継として有力視されるのが、名古屋市の前副市長、元愛知県議の広沢一郎氏。
「ワシが出る場合は、名古屋市長選とのダブル選挙でおおいに盛り上げて投票率をアップさせて政治に関心を、と思っておる」
と手の内を明かす河村市長。
「河村市長とは絶交しています」
かつて、愛知県の大村秀章知事のリコール署名活動でタッグを組みながらもその後、たもとを分かった高須クリニックの高須克弥院長に話を聞くと、
「私は筋を通さない、道から外れた、義理のない人は嫌いです。河村市長から何度も電話があったが出ていません。今回の日本保守党とのことについてですが、河村市長とは絶交しています。友達の友達は友達ですが、そうではないのでなにも言うことはない。かかわりたくありません」
と河村市長の決断には厳しい反応だった。
河村市長の動きは地元でも脅威に映るようで、
「河村市長らしい華々しく会見して、花火を打ち上げて大騒動に持ち込んでという作戦だろう。やっぱり選挙に強いから、脅威になる」
と愛知県の自民党県議は警戒する。
いきなりぶち上げ周囲を驚かせる独特の政治手法は「河村流」と呼ばれる得意技。今回はどこまで通じるのだろうか?
(AERA dot.編集部・今西憲之)