河村たかし・名古屋市長が周囲を騒がせている。作家の百田尚樹氏が代表を務める日本保守党の共同代表に加わるというのだ。一時、自らが党首を務める減税日本は、維新と協力態勢を組んでいた。政策の不一致で別れたと思ったら、新たなパートナーを見つけていたようだ。河村市長に真意を聞いた。
10月17日、日本保守党が開いた結党の記者会見に、河村市長がサプライズで登場し、日本保守党の共同代表に加わることを表明したのだ。
「ワシももうすぐ75歳だわ。お誘いをいただいたのが日本保守党。今年6月ごろだったかな。総理を狙う男と言い続けて、ファイナルアンサーを出さないといけないので決断に至った」
と河村市長は話す。
減税日本の看板は変えない
減税日本と日本保守党は「特別友党関係」を締結し、共同歩調をとるという。
衆院議員を5期務めた後、2009年に名古屋市長に当選し、地域政党「減税日本」の代表でもある。今春の統一地方選では、全国で日本維新の会が議席を伸ばすなかで大きく躍進し、
「維新をコテンパンにやっつけた」
と胸を張っていた。
ただ、これまでは維新と関係を築き、2022年の参院選でもタッグを組んで候補者を立ててきた。
なぜ、日本保守党となったのか。
河村市長はこう語った。
「今年の統一地方選で、名古屋市議選、愛知県議選に出馬する減税日本の候補者は維新の所属にしてほしい、公約も従ってほしいと維新から言われて頭にきた。減税日本を解党せよということだわ。統一地方選では維新と“離婚”して、ガチンコ勝負だった。今後、国政復帰を考えた場合、やはり減税日本という勢力では小さいので、どこかと組まないといけない。その答えが日本保守党だった。だが、減税日本の看板は変えない、絶対になくしません」
これまで「減税」「議員の市民並み給与」「マイナンバー廃止」と独自の政策を掲げてきた河村市長。維新との「離婚」は政策の不一致が一因だ。
維新と袂を分かってからは、参政党や前明石市長の泉房穂氏との「共闘」も模索してきた。日本保守党とは何が決め手となったのか。