今や私たちの生活に欠かすことのできないスマホ。電話やメールとしての機能はもちろん、知りたい情報にすぐに辿り着け、動画やSNS、ゲームなども楽しむことができる。一方で“スマホで集中力低下”、“うつ病を引き起こす”、“子供の健康への影響”などネガティブな研究結果も度々発表されてきた。アメリカのスタンフォード大学が運営するオンラインハイスクールの校長で、哲学博士の星友啓氏は、最新科学を踏まえスマホがおよぼすポジティブな影響を解説。同氏の新著『脳を活かすスマホ術――スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、近年確認されたメンタルに良いSNSの使い方について紹介する。
* * *
SNSで発信するか、受信するか
スマホの良し悪しについて、これまでの研究では、スマホの良い影響も悪い影響も、双方ともに示されてきました。それらをすべてガッチャンコしてみると、スマホの良さと悪さが相殺して、使用時間とメンタルの相関が見つからなかった。だからこそ、どんなスマホの使用が悪影響を及ぼし、どんな使用が良い影響を及ぼすのかを研究する必要がある。
実際、ソーシャルメディアの使い方はさまざまです。おいしそうなもの、便利そうなもの、楽しそうなもの、インスタ映えするものなど、いろんな人の発信をランダムにあれこれ見て楽しむ。もともと親しい友達とのコミュニケーションに使う。自分の活動や趣味を他の人とシェアする。その他にもいろんな使い方があります。