手紙には独特の書き方のマナーがあり、難しく感じる人もいるかもしれない。しかし、基本ルールさえわかっていれば、気軽に書ける。ぜひ基本マナーを知ってほしい。「手紙のあり方」を研究する執筆家・中川越(なかがわ・えつ)さんが監修した『増補改訂版・気持ちがきちんと伝わる! 手紙の文例・マナー新事典』から、手紙の書き方の基本ルールを抜粋して紹介する。
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手紙の基本構成は「前文」「主文」「末文」「後付け」
手紙の基本構成は、「前文」「主文」「末文」「後付け」の大きく四つで成り立っています。
人と会って話をするとき、まず挨拶(前文)をしてから本題(主文)を述べ、最後に再び挨拶(末文)をします。手紙も同じです。基本構成に従って書けば、礼儀にかなった手紙になります。
あらたまった相手には挨拶が欠かせませんが、親しい相手には本題から始めてもよい場合があります。状況に応じて基本構成を変えたり、挨拶の一部を省略してもかまいません。相手との関係性を意識し、顔を思い浮かべながら書くようにしましょう。
【前文の文例】
(1)頭語(とうご)
「謹んで申し上げます」という意味の挨拶の言葉。1字下げずに行頭から書き始めます。
(2)時候(じこう)の挨拶
「よいお天気ですね」「暖かくなりましたね」などの天候や季節に応じた挨拶。
(3)安否の挨拶
「お元気そうですね」などの相手の健康や安否を気遣う挨拶。「私も元気です」などと自分の安否をつけ加え、無沙汰を詫びる言葉や日頃の感謝を続ける場合もあります。
【主文の文例】
(4)起語(きご)
「さて」「ところで」などの本題に入るきっかけの言葉。
(5)本題
手紙の用件。わかりやすい文章で、簡潔に書きましょう。