小学校高学年といえば思春期を迎えるころです。一方、40代後半は更年期に差し掛かる年代であり、どちらも、女性としてのからだが変化して、こころも大きく揺さぶられる時期です。
つまり、「『小学生の子どものいる家庭』とは、『家庭の中に不安定なこころを抱えた人が少なくとも二人いる状態』かもしれない」と、いえるわけです。
しかも、お母さん世代が成長期、思春期だったころと今とでは、世の中は大きく様変わりしています。
女性の性や生殖に関する医療は格段に進化しました。出産年齢の高齢化も、進化した医療技術に支えられているといえます。それと並行するように、女性だって家庭を「守る」役割に縛られることなく、自分のやりたいことを実現させたり、家庭の外で働き、社会とかかわりながら生きていく道を選んだりと、かつての社会が決めた「女性はこうあるべき」という枠組みにとらわれる必要はない、という考えが一般的になってきています。
とはいえ、社会にはいまだジェンダー格差が存在していて、平等や公平を目指していくべきだとか、セクシュアリティーは多様なもので、お互いに尊重し合うことが大切だという考え方が、日本でも広く知られるようになりました。