幾田りら(いくた・りら)/2000年生まれ。シンガー・ソングライターとしてドラマや映画の主題歌、テレビCMソングなどを多数手がけている。21年には、細田守監督映画で声優に挑戦[撮影/蜷川実花 hair & make up YOUCA styling 藤本大輔(tas) costume (un)decided、HAKUJI、VEGE]
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 映画「アナログ」のインスパイアソング「With」を書き下ろしたシンガー・ソングライターの幾田りらさん。曲づくりで大切にしていることを語った。AERA 2023年10月2日号の記事より。

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――幾田りらはシンガー・ソングライターとして、数々のドラマ主題歌なども手がけてきた。今年3月には、1stソロアルバム「Sketch」をリリース。そのとき、「詞は心の日記のようなもので、メロディーはその心情が自由に飛んでいくための羽の役割を持っている」とも明かしていた。そんな幾田にとって、曲が生まれる源泉は、「自分の心が揺れた瞬間」だと話す。

幾田:例えば、映画の感想や散歩中に考えたこと、ほかのアーティストさんのライブを観て感動したことでもいいんですけど、自分の心が揺れた瞬間の出来事や感情を忘れないように、事あるごとにスマホにメモしています。文章もめちゃくちゃで全然きれいじゃないんですけど(笑)。でも一つも漏らしたくないので、吐き出すように書いていますね。

 歌詞にするときは、自分にとって嘘偽りのない言葉で書くこと。これだけは守っています。自分が考えていることを他人に知られるのって、結構恥ずかしいじゃないですか。だからアウトプットするときは無意識にフィルターをかけてしまって、ついきれいでまとまった表現をしてしまいがちなんです。でも、曲を作るということは、内なる自分と一対一で向き合うということで、そこで嘘をついたらだめだと思うんです。やっぱり自分の曲には、さらけ出した自分を乗せたい。私自身、日々音楽に救われていると感じていますが、「何に心が震えるんだろう?」って考えたときに、やっぱり心の内側のすごく弱い部分に触れてくれる言葉やメロディーかなと思っていて。ライブも、髪が乱れるくらい無我夢中で歌っている姿に心惹かれるし、自分もそうありたいなと思います。と言いつつ、曲を作るときはいつも悩んで疲労困憊しているんですけど(笑)。でも、それだけ自分とリンクした作品を作りたいといつも考えています。

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