(写真はイメージ/GettyImages)
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「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「本を読む習慣がない私でも読みやすく、頭に入りやすかった」
「何度も読み返したい本!」
といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

肉の脂身、ラードはカラダに悪い?

 牛肉、豚肉、鶏肉の脂身(あぶらみ)や脂は飽和脂肪酸で、これは血管を傷つけて心臓の病気や脳梗塞などをもたらします[*67]。私たちのカラダには悪い脂です。

 そして、シミ、しわ、たるみなどの遠因にもなるので皮膚にもよくありません。さらに脳の酸化(記憶力や判断力の低下など)も引き起こします。肉の脂はカットするのがおすすめです。

 ラード(豚の脂)を使った揚げ物はカラッと揚がっておいしいのですが、健康面ではおすすめできません。精肉店から牛脂をもらったり、肉のパックに入っていたりしても、使わないようにしましょう。

脂身を取るなんて面倒くさい…と思ったら

 肉の脂を取り除くなんて面倒! と思うかもしれませんが、可能な範囲で、白い脂の部分を包丁で切り落とせばOKです。

 肉組織の中にサシとして入っている脂は切り落とせないので、しゃぶしゃぶなどの調理法でお湯に溶かして取り除くという方法もあります。

 ただ、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。細かい部分の脂まで全部除去するのは面倒なので、適当でOK。

 そもそも、肉を買うときにばら肉や肩肉といった白い脂の多い部位は可能な範囲で避けて、赤身を選ぶことをおすすめします。

どうして鶏肉の皮はカットしたほうがいいの?

 鶏肉の皮や脂には悪玉コレステロールが含まれます。悪玉コレステロールが増えると血管を傷つけて、心臓や脳の病気のもととなります。また、カラダの中の酸化が進んでシミやしわのもとになり、脳の酸化が進んで脳の機能も下がります。

 少し面倒ですが、皮はカットするのがおすすめです。

 鶏肉の皮といえば、焼き鳥の定番メニューですね。こんがり焼いてパリッとした食感が好きな人も多いでしょう。しかし鶏肉の皮はカロリーの高い部位でもあるのです。カロリー面からも、鶏皮は避けることをおすすめします。

「皮つき」と「皮なし」の、調理法別のカロリーは次のとおりです。

『医師が教える 子ども食事50の基本』より

 調理法次第でずいぶん変わりますね。

 このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・編集したものです)

*67  de Oliveira Otto MC, et al. Dietary intake of saturated fat by food source and incident cardiovascular disease: the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis. Am J Clin Nutr. 2012 Aug; 96(2):397-404.