梅・桜・菜の花などの盛りが過ぎ、暦の春も残りわずか…春を惜しむ頃となりました。今年の春は、光よりも雲が優勢でしたね。こんな空を見て愁いを感じたら、それは季語で言う「春愁(はるうれひ・しゅんしゅう)」です。晩春の気候と私たちの心の関係を振り返ってみましょう。
この記事の写真をすべて見る天候の変わりやすい季節は心もうつろいやすい?
春の季語には「春愁(はるうれひ・しゅんしゅう)」、そして秋には「愁思(しゅうし)」という「愁(うれい)」を表わす言葉があります。思えば、春も秋も「春雨」「秋の長雨」など、日照時間が左右されやすい気候が続きます。さらに、春は『始まりの季節』であると同時に、その分さまざまなストレスも感じやすい時期ですね。
「五月病(ごがつびょう)」という言葉をよく耳にします。スタートの季節ならではの、焦燥感や疲労感が心に負担をかけることがよく挙げられますが、気候との関連も見逃せません。
また、次々に咲き始める花が散って行き、命を育むための潤いである雨も、雨を降らせる雲も、日々流れています。私たちの心はそんな景色に儚さ(はかなさ)や愁いを感じるのではないでしょうか。
年始から四か月…ふと気づけば、一年の三分の一を過ごしている…そう気づくこともまた、儚さや愁いを助長するのかもしれません。人も自然の一部です。さて、こんな時こそ「自愛」が大切になります。
「黄金週間」こそ、自分に優しく過ごしてみませんか?
一月から四月、何かと忙しく…気づけば、自分に優しい生活から離れていませんか? 旅行などでリフレッシュもいいけれど、たまには「自分に優しく」過ごす黄金週間があっても良いかもしれません。以前にもご紹介した、漢方によるこの時期のお勧めの過ごし方はというと…。
①深呼吸をして体の滞りを流す
②アロマやハーブなどの香りを味方につける
③趣味を満喫する
④運動や温泉、気の置けない仲間とお喋りする
以上のようなことがおすすめとされています(リンクサイト参照)。
漢方では、「氣の滞り」が大切とされていますので、どれも体と心に溜まった「氣」を流すことに繋がっています。特に深呼吸や香りを味方につける、などは毎日の生活に取り入れておきたいですね。この時期のお勧めは、ローズマリー(集中力を高める)とミント(リフレッシュ)です。女性は、ローズやゼラニウムで自律神経を整えるのも良いようですよ。和の香りでは、沈香(じんこう)などが匂いもきつくなく、雑貨屋さんで手に入りお香ビギナーにお勧めと言えます。
道端に見かける花…ひなげし(ポピー)の花言葉は…
街路樹の狭間に、オレンジのひなげしが咲いていることにお気づきでしょうか? オレンジ色の雑草…と思いきや、ヨーロッパから江戸時代に渡ってきたポピーの仲間・ひなげしです。つつじやさつきが色鮮やかに咲いている隣に、ひっそりと息づくさまも健気なこの花の花言葉は、「慰め」「いたわり」「思いやり」など、この時期の私たちに相応しいものばかりです。この花は群生するとなかなか見ごたえがあります。名所として知られているのは、東京都昭島市の公立昭和公園、神奈川県横須賀市のくりはま花の園、埼玉県鴻巣市のポピーハッピースクエアなどがあります。関西では、大阪府吹田市の万博記念公園や兵庫県淡路市のあわじ花さじきなどがあります。
この連休、曇りがちな日は自宅でリラックスしてから、お日様の下で癒しの花ポピーを眺める…などというのも楽しいかもしれませんね。
《参考文献・サイト》
俳句歳時記(角川学芸出版)
五行陰陽セラピーサロンle salon 香華(リンクサイト)