大宮:そのための練習とかは?
角野:ごりごりにします(笑)。コンクール前にはパリに行って、先生に朝から晩まで教えてもらったり。
大宮:パリにつてがあるんですね。
角野:そう、パリに半年間だけ住んだことがあって。学生時代、研究のほうで行ったんですけど。そのときに先生に出会えたんです。
大宮:いやいや、私、パリは何回も行っているけど、出会わないよ、そんなすごい先生に。
角野:現地の日本人コミュニティーで知り合った方が、僕が子どものころから知っている、美しい音のピアニストと友達だっていって。
大宮:そんなパリマジックが!
角野:いやー、ラッキーでしたね。
大宮:角野さん、なんか必要なときに必要な人と会う星を持っているのかもしれないですね。
角野:人には恵まれていると思いますね。ありがたいです。
大宮エリー(おおみや・えりー)/1975年、大阪府出身。99年、東京大学薬学部卒業。脚本家、演出家などを経て画家として活躍。瀬戸内国際芸術祭(岡山県・犬島)で「光と内省のフラワーベンチ」を展示。8月31日まで、アマン東京に隣接する「大手町の森」で個展を開催中
角野隼斗(すみの・はやと)/1995年、千葉県出身。2020年、東京大学大学院情報理工学系研究科を修了。東京大学総長大賞を受賞。21年、第18回ショパン国際ピアノコンクールセミファイナリスト。かてぃんとして始めたYouTubeチャンネルは登録者125万人に
※AERA 2023年9月4日号