そして、来シーズンも投球できないとなれば、マネーゲームだけでない要素が入り込むという可能性もあり、その場合はエンゼルス残留の可能性も高まるのではないかということも検証している。
記者の中の1人は「再契約するチャンスは高まらない」という見方をする一方、契約額が下がることで「エンゼルスが候補の一つとして以前よりは可能性が増す」という意見も。ただ、大谷が“勝つこと”を重視していることに触れ、仮に来シーズンも大谷が投球できないのであれば、エンゼルスが勝てるチームになるとは考えにくく、そのままチームを去るだろうと予想している。
また、FAの去就だけではなく気になるのが今後の起用法や、2度目のトミー・ジョン手術となった場合にどれほど復活できるかだ。
もちろん、怪我が治れば引き続き二刀流を続けると見られているが、メジャーリーグ公式サイトの『MLB.com』なども言及しているように、2度目のトミー・ジョン手術はやや成功率が下がることが気になる。加えて、復帰までの時間も初回よりも長くなるという。仮に2度目のトミー・ジョン手術となれば、来季はもちろん、2025年シーズンも完璧な状態で投げられるかは微妙なところだ。
これまでトミー・ジョン手術を2度受けて復帰した投手としては、今季サイ・ヤング賞候補の1人となっている先発右腕のネイサン・エオバルディ(レンジャーズ)など成功例もある。現在29歳の大谷に近い年齢で2度目の手術を受けた左腕のクリス・カプアーノは復帰後から7シーズンにわたって活躍している。リリーフ投手ではあるが、ケイレブ・ファーガソン(ドジャース)は2度の手術後に球威が増しているように、時間はかかるものの、復帰後に高いパフォーマンスを発揮している例は確かに存在している。
当然、二刀流選手として2度トミー・ジョン手術を受けたという前例もなく、どういう過程でマウンドに戻ってくるのかは注目度が高い。最近では大谷の影響もあり米国でも二刀流での活躍を目指す若手プレイヤーが増えてきたが、大谷の動向が1つの大きな指標にもなりそうだ。