昔の夏と今の夏最高気温を比べてみたら(イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 猛暑についてばかり書いたら負けだと思いつつ、それ以外に書きたいことがありません。悔しい。

 今日は休日で、午前中に家を出て、屋外を歩く時間が長かった。まさに命の危険を感じる暑さでした。

 今年はすでに100回くらい「子どもの頃は、こんなに暑くなかった」と言っている気がします。調べてみたら、私が小学校1年生だった1980年、東京都心の8月は30度超えが5日のみ。これは少なすぎるだろうと翌年8月も調べてみたところ、月の半分が30度超えながら、最高気温は33.0度。2023年の7月は、ラジオが始まる11時頃にはたいてい30度を超えていたというのに。毎日メモしているから覚えているのよ。

 時代をビュッと飛ばしまして、私が就職した1996年8月。この年はあまりの暑さに、出先でシャワーを浴びた記憶があります。調べてみると、31日のうち18日が30度を超えていました。最高気温は8月15日の38.7度! 敗戦の日にそんな暑さに見舞われていたなんて。

 もしかして、38.7度は東京都心の夏の最高気温では? と検索してみると、信じられないことに2004年7月20日に39.5度を記録しています。ジェーン・スー、31歳の夏。なぜ覚えていないのか記憶を辿ると、この年の11月に私は人生最大(だと思いたい)の大失恋をするので、たいていの記憶が飛んでいるのでした。失恋効果、万歳。

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