放送作家の鈴木おさむさん

 鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、息子のサマースクール体験について。

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 先日、8歳の息子、笑福を「サマースクール」なるものに入れてみました。夏休みになったので、特別な体験をさせてみようと。友達のお母さんと話して、一緒に入れようという話になり、いきなりの泊まりじゃなく、5日間だけ通いで行けるところを探していただき、入れたのです。

 息子、笑福は友達も一緒とあって、とても楽しみにしていましたが、サマースクールで何をするかはまったく理解していない感じ。

 いざ、通い始めて。生徒たちの中には日本人もいれば外国の人もいて。ただ、一つ、先生は英語でしか話さないそうなんです。

 笑福は、習い事などをまったくしていない。週に一度の家庭教師の先生にフォローアップ授業をしていただいてますが、基本勉強が嫌い。塾も行ってないし勉強が本当に本当に嫌い。

 笑福が勉強をしているときの様子を見て、妻は「昔の私、そっくりだ」と。勉強させようとすると泣いたりするんです。僕は、昔から宿題も早く終わらせて、ある程度掛け算なんかも早く覚えた方が楽だと思っていたから、勉強自体が嫌いではなかった。

 だから、宿題に向き合って泣き出す笑福の気持ちがわからなかったのです。早く終わらせた方が楽じゃんと言いますが、妻は笑福の気持ちが痛いほどわかると。だから、無理強いさせてはダメなんだなと思っています。

 そして、食べ物の好き嫌いが激しい。自分たちの世代だと学校の給食は残さないのが当たり前。牛乳嫌いな人も、昼休みになっても飲み終わるまで許してもらえませんでした。

 ですが、笑福の通う学校はそれはなく、食べないものも多いようで、家に来た友達に「笑福君は家でも好き嫌いが多いの?」と言われてしまう。

 家でもそうで、本来ならバランスよく食べてくれるのがいいのですが、勉強も食べるのも、

 息子にチョイスさせています。自由にさせていると言いますか。これに対しては色々な意見があると思うのですが、うちは今、こうしています。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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