この記事の写真をすべて見る
焦点距離と撮影距離によって見え方が変化する
POINT
[1]とりあえずキットレンズの望遠側で撮ってみましょう。テーブルフォトに最適な画角です。
[2]単焦点レンズは画角が変わりません。
[3]35mm判換算を覚えておきましょう。
焦点距離は画角のこと
50~100mmあたりが便利
自分のカメラのレンズ名を確認してみてください。「18ー55mm」や「14ー42mm」といったように、「mm」の付いた数値が書かれているはずです。これが焦点距離です。
焦点距離にはいくつか意味がありますが、もっとも大切なのは画角を示すということ。焦点距離が短ければ「広角」で、広い範囲が写ります。長ければ「望遠」になり、遠くのものが大きく写せます(左ページ図を参照)。この焦点距離を変更できるのがズームレンズ、固定されているのが単焦点レンズです。
テーブルフォトに向いているのは、だいたい50mmから100mm程度の焦点距離。被写体が自然に見え、スタイリングなども支障なく行なえます。すると、「私のレンズには100mmなんてない」と思うかもしれません。そこで35mm判換算が登場します。
デジタルカメラはメーカーやカメラによって撮像素子(※)のサイズが異なるため、たとえば同じ40mmの焦点距離のレンズでも、写る範囲が異なります。それでは比較しづらいため、一般的には35mm判フィルムに換算した焦点距離(画角)が使われます。先に挙げた50〜100mmというのは35mm判換算での値。PENなどのマイクロフォーサーズ機なら25〜50mm、EOS Kissなら約31〜62mmの焦点距離が相当します。カメラとセットになっているレンズを「キットレンズ」といいますが、キットレンズを望遠側(焦点距離の長いほう)にズームさせると、だいたいこのあたりの焦点距離になります。
また、広角でも望遠でも、被写体を同じような大きさで撮ることはできます。右ページの写真のように、広角なら近づき、望遠なら離れればいいのです。しかし、見え方は違ってきます。広角なら背景が広く写り、パース(遠近感)による歪みが気になるかもしれません。望遠なら被写体の前後が詰まって見え、狭く感じる可能性があります(圧縮効果といいます)。テーブルフォトには、キットレンズの望遠側がちょうどいい見え方になるはずです。
ただ、前ページでも述べましたが、キットレンズはあまり絞りが大きく開けられないのが難点。キットレンズを物足りなく感じてきたら、単焦点レンズを手に入れましょう。
※撮像素子は、カメラ内部にある光を受ける部分で、フィルムカメラのフィルムに相当します。
レッスンの続きはこちら